希ガスとは?貴ガスへの変更理由と反応しない秘密・全元素の特徴を解説
第18族に属する各元素は、共通の安定性を持ちながらも、質量や電子の数によってそれぞれ固有の際立った個性を放っています。
ヘリウム(He):水素に次いで宇宙で2番目に多く存在する気体。極めて軽く燃えないため安全性が高く、極低温物理実験や超伝導技術に不可欠な寒剤として機能します。
ネオン(Ne):低圧放電によって鮮やかな赤橙色の光を放つ特性を持ちます。照明用途だけでなく、半導体の微細回路を焼き付けるエキシマレーザーの発振用ガスとしても重要視されています。
アルゴン(Ar):大気中に豊富に存在し、比較的安価に分離抽出できるため、酸素や窒素を嫌う金属加工や製造ラインの酸化防止保護ガスとして大量に消費されています。
クリプトン(Kr)とキセノン(Xe):原子量が大きく熱伝導率が低いため、最高級の断熱ガラスや高輝度放電灯、さらには宇宙空間で長期間推進力を維持する「イオンエンジン」の推進剤として宇宙開発の主役に抜擢されています。
ラドン(Rn):天然に存在する希ガスで唯一の放射性同位体であり、無色無臭の気体状放射性物質として地質調査や温泉のラドン浴などで知られます。
オガネソン(Og):2002年にロシアの合同原子核研究所で初めて合成された原子番号118番の超重元素です。オガネソンの最新研究動向では、巨大な原子核による極めて強い電場と「相対論的効果」によって最外殻電子が均一に広がり、従来の希ガスのような閉殻の性質が崩れている可能性が理論計算から指摘されています。気体ではなく常温で固体である可能性や、半導体に近い挙動を示す可能性が議論されており、従来の周期表の常識を覆す最前線の研究テーマとなっています。