犯罪者の手記印税を阻む「サムの息子法」とは?違憲判決の教訓と日本の壁
サムの息子法を一言でわかりやすく言えば、「犯罪者が自らの犯罪行為を題材にした出版物、映画、記事などから直接利益を得ることを防ぎ、その収益を犯罪被害者への賠償に充てさせる米国の州法」です。
通常、本が出版されれば著者には契約金や印税が支払われます。しかしサムの息子法が適用されると、出版社や制作会社が支払うべき報酬は加害者の口座ではなく、州の犯罪被害者委員会が管理するエスクロー口座(信託口座)へ強制的に預けられます。そして、被害者やその遺族が損害賠償請求訴訟を起こすための期間が確保され、確定した賠償金がその口座から支払われる仕組みです。
この法律の本質は、加害者の表現活動そのものを禁止するのではなく、犯罪の商業利用によって生じる金銭的利益を剥奪する点にあります。アメリカ犯罪被害者保護法の象徴的なモデルケースとして、1977年にニューヨーク州で最初に制定された後、全米の40以上の州や連邦法にも波及しました。