大橋巨泉の知られざる死因の真相と遺産相続|セミリタイア決断の裏側
大橋巨泉さんの訃報が日本中を駆け巡ったのは2016年7月12日のことでした。公式に発表された直接の死因は「急性呼吸不全」。しかし、そこに至るまでの道のりは、実に11年間にもおよぶ度重なるがんとの戦いでした。
闘病の始まりは2003年の胃がん摘出手術にさかのぼります。その後、2013年には中咽頭がん、2014年には肺がんおよびリンパ節への転移、さらには脳腫瘍が相次いで見つかりました。放射線治療や外科手術を何度も受けながら、巨泉さんは不屈の精神で病魔に立ち向かい、その都度現場復帰への意欲を見せていました。
しかし、2015年末に腸閉塞を患って以降、急激に体力が低下。2016年4月には、在宅医療においてモルヒネ系鎮痛剤の過剰投与とされる投薬トラブルに見舞われ、意識混濁や極度の衰弱に陥るという不運なアクシデントも重なりました。集中治療室(ICU)での緊急処置によって一命を取り留めたものの、削られた体力は完全に戻ることなく、最後は千葉県内の病院で妻・寿々子さんに看取られながら静かに息を引き取りました。
亡くなる直前まで執筆を続けていた『週刊現代』の遺稿コラムには、当時の政権に対する痛烈な批判と平和への希求が記されており、言論人としての誇りを最期の瞬間まで貫いた生涯でした。