知らないと恥ずかしい!「襟」と「衿」の違いを徹底解説
「襟」と「衿」の最大の違いは、国語施策上の常用漢字か表外漢字(非常用漢字)かという点にあります。文化庁が管轄する「常用漢字表」(2010年改定・現行版)において、「襟(えり・キン)」は収録されていますが、「衿」は常用漢字表に含まれていません。
この公的基準に基づき、国の公用文作成要領や各自治体の公文書取扱規程、日本新聞協会が発行する『新聞用語集』では、首回りを表す漢字として「襟」に統一表記するルールが敷かれています。テレビのテロップや全国紙の記事、公立学校の教科書で「衿」の文字を見かけることが原則としてないのはこのためです。
一方で、民間や特定産業に目を向けると様相は一変します。和裁の世界では「掛衿(かけえり)」「半衿(はんえり)」「共衿(ともえり)」のように「衿」を用いるのが伝統的な標準表記です。洋服のアパレル産業でも、首の後ろに縫い付けられるブランド表示を「衿ネーム(えりネーム)」と呼び、型紙や縫製仕様書でも「衿ぐり」「衿芯」といった専門用語として「衿」の表記が日常的に流通しています。