スマイリーキクチ中傷事件の全真相|10年続いたデマと一斉摘発の結末
スマイリーキクチさんへの中傷被害が10年以上の長きにわたって終息しなかった背景には、ネット空間特有の「歪んだ正義感」と「沈黙の誤認」が存在していました。
初期の段階で所属事務所や本人が否定のコメントを出せば「火消しに必死だ」と叩かれ、沈黙を守れば「否定しないのは認めた証拠だ」と決めつけられる逃げ場のない構造が作られていました。書き込む側の多くは、自らを「凶悪犯を追及する正義の告発者」と信じ込んでおり、罪悪感を一切持たずに攻撃をエスカレートさせていったのです。
事態が最悪の局面を迎えたのが2008年の公式ブログ開設でした。ブログのコメント欄には「人殺し」「今すぐ死ね」「お前を絶対に許さない」といった脅迫的な書き込みが数千件規模で殺到。出演番組のスポンサーや劇場、所属事務所に対しても連日「なぜ凶悪犯をテレビに出すのか」といった抗議電話やメールが執拗に送りつけられ、実際に仕事の降板や活動休止を余儀なくされる実害へと発展しました。
精神的にも社会的にも追い詰められた極限状態の記録は、後に上梓された著書『突然、僕は殺人犯にされた』の中でも生々しく描かれています。