福島・平石の愛すべき守護神はなぜ国境を超えたのか? 2026年、進化を続ける「B級スポット」の熱い現在地
阿部さんが鉄くずを溶接して作り上げたその姿は、本家のスタイリッシュなモニュメントとはお世辞にも似ていない。股関節は少し落ち込み、肩のラインは左右非対称。どこか自信なげに遠くを見つめるその瞳には、見る者の庇護欲をかき立てる不思議な魅力が宿っている。
地元住民によれば、阿部さんは生前、近所の子どもたちが喜ぶ顔を見るのが何よりの楽しみだったという。特別な観光資源のなかった平石地区に、少しでも笑顔を増やしたい。そんな素朴で純粋な情熱から生まれた鉄像は、完成直後から近所の人々の憩いの場となった。洗練された現代のアートワークにはない「不完全さの美」が、ここには確実に存在している。