ヒトデの動き方はなぜ不気味?歩く仕組みと速度の真相をプロが徹底解剖
のんびりと海底に張り付いている印象の強いヒトデですが、実際の移動スピードはどれほどのものなのでしょうか。SNS上では時折「ヒトデが走って逃げた」「猛ダッシュしてきた」といった真偽不明の投稿が拡散されますが、海洋研究機関の計測データをもとにそのリアルな数値を検証します。
一般的な磯で見かけるマヒトデやイトマキヒトデの移動速度は、通常分速5cm〜10cm程度(時速に換算すると約3m〜6m)です。人間の目から見れば「じっと見つめていると動いているのが辛うじてわかる」レベルであり、走るという表現には程遠いのが実情です。
しかし、獲物を追跡する肉食性の強いヒトデや、外敵から逃避する局面においては、生物学者の予想を上回るスピードを叩き出す種が存在します。
ネット上で「ヒトデが走っている!」と話題になる動画の多くは、砂地を掻き分けるスピードが極めて速いモミジガイの仲間か、北米に生息する巨大なヒマワリヒトデの捕食シーン、あるいはタイムラプス(微速度撮影)された映像です。タイムラプスによって数分間の映像が数秒に圧縮されると、無数の足を波打たせて疾走しているように見え、視聴者に強烈なインパクトを与えます。
とはいえ、ヒマワリヒトデが分速1メートル以上の速度で海底を滑り、逃げ惑うウニを上から覆い被さるように捕獲する様子は、早送りなしのリアルタイム映像であっても十分に「海底のチーター」と呼べる気味悪さと迫力を持っています。