海を見下ろす絶壁に漂う香ばしい煙。小樽・忍路でいま起きている「辺境パン革命」の最前線
公共交通機関が限られ、冬になれば激しい雪と風にさらされる忍路地区。利便性とは対極にあるこの立地こそが、訪れる人々にとって代えがたい「体験」へと昇華している。
「便利すぎる都市生活へのアンチテーゼとして、わざわざ時間と手間をかけて美味しいものを買いに行くという価値観が定着した」と、地元の観光アナリストは分析する。スマホを置いて海を眺めながらパンの焼き上がりを待つ時間そのものが、忙しない日常を生きる人々への贅沢なリセットボタンになっているのだ。