江戸川区児童相談所はあとポートの真相|開設理由と保護所の現実
かつて東京都内の児童相談所は、すべて都が一元的に設置・運営していました。人口約70万人を抱え、年少人口(0〜14歳)の割合が23区内でもトップクラスにある江戸川区を担当していたのは、足立区や葛飾区など複数自治体を広域管轄する東京都東部児童相談所でした。しかし、この広域体制が現場に深刻なタイムラグを生み出していた事実は否めません。
江戸川区における児童虐待通報対応件数は年々増加の一途を辿り、区の窓口である「子ども家庭支援センター」が危険を察知しても、一時保護などの強い法的権限を行使するには都の児童相談所へ案件を引き継ぎ、調整を経る必要がありました。この二重行政構造による情報伝達の遅延が、救えるはずの命を危機に晒すリスクとして重くのしかかっていたのです。
決定打となったのは、過去に区内で発生した痛ましい児童虐待死事件でした。「子どもの命を守る最終責任を他機関に委ねるのではなく、基礎自治体自らが強い権限を持って即座に介入しなければならない」という強い危機感が区政を動かしました。2016年の児童福祉法改正によって特別区での児相設置が認められると、江戸川区は即座に準備を加速。区長の強力なリーダーシップのもと、2026年4月、世田谷区や荒川区と並び23区で初となる独自児童相談所を開設するに至りました。これが「江戸川区児童相談所 開設理由」の核心です。