舌の奥のぶつぶつは病気か?痛くない正体と癌の見分け方を徹底解説
ネット上の情報検索において最も多い誤解は、「ぶつぶつがある=悪いものができている」という短絡的な思考です。しかし、臨床上問題となるのは、ぶつぶつそのものの存在ではなく、その「性状の変化」です。
例えば、舌の奥の赤いぶつぶつができる原因として頻度が高いのは、舌扁桃(ぜつへんとう)の代償性肥大です。口蓋扁桃(いわゆる喉仏の横にある扁桃腺)を過去に摘出した人や、慢性的なアレルギー性鼻炎・後鼻漏で喉に炎症が起きている人は、舌の根元にあるリンパ組織(舌扁桃)が免疫反応で赤く隆起します。これは体が外敵と戦っている証拠であり、直ちに切除すべき病変ではありません。
一方で、警戒すべき盲点も存在します。それは「痛くないから大丈夫」という思い込みです。一般的なアフタ性口内炎は食事も取れないほどの強い痛みを伴いますが、初期の舌がんや前がん病変(白板症・紅板症)は、初期段階ではほとんど痛みがありません。「口内炎が舌の付け根にできて治らない」と訴えて受診した結果、痛みが少なかったために受診が数カ月遅れ、浸潤が進んでいたというケースが報告されています。痛みの有無だけで自己判断し、舌の奥のぶつぶつを放置する危険性はまさにここにあります。