耳垢がたまりやすい人の特徴とは?放置リスクと正しい耳鼻科ケア
耳垢のトラブルは、ライフステージによってその現れ方とリスクが大きく異なる。特に子どもと高齢者においては、本人が自覚症状を訴えにくいため、周囲の家族による早期発見が極めて重要となる。
1. 子どもに耳垢がたまりやすい理由とサイン
乳幼児や学童期の子どもは、成人に比べて外耳道が極めて細く、短い。その上、新陳代謝が非常に活発で皮膚のターンオーバー周期が短いため、角質の脱落量が多く、耳垢の産生スピードが圧倒的に速い。
子どもが「呼んでも返事をしない」「テレビの音量を異常に大きくする」「頻繁に耳を触ったり引っ張ったりする」といった仕草を見せる場合、中耳炎だけでなく、巨大な耳垢塞栓によって物理的に音が遮断されているケースが多々ある。無理に家庭で取ろうとすると子どもが急に動いて外耳道を傷つける大事故につながるため、小児耳鼻咽喉科での定期的な除去が推奨される。
2. 高齢者の耳垢塞栓と「認知機能低下」の深刻な連鎖
高齢期に入ると、皮膚の乾燥によって耳垢の水分が失われ、硬い石のように固まりやすくなる。さらに、外耳道の皮膚の菲薄化(ひはくか)と筋肉の萎縮によって自浄作用が著しく低下し、耳垢が排出されずに堆積する。
近年の老年医学や日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の報告でも注目されているのが、「耳垢塞栓による難聴が、加齢性難聴と誤認されて放置される問題」である。耳垢が詰まっているだけの伝音難聴であるにもかかわらず、「年だから耳が遠くなった」と見過ごされ、周囲とのコミュニケーションが断絶して社会的孤立や抑うつ、さらには認知症のリスクを高める要因になっている。高齢者が補聴器を新調する際、まずは耳鼻科で耳垢を除去しただけで劇的に聴力が回復する事例は日常茶飯事である。