国宝の城はなぜ5つだけ?現存天守12城との違いと最新動向【2026】

国宝の城はなぜ5つだけ?現存天守12城との違いと最新動向【2026】についての疑問解決ガイドを徹底解説します。

国宝五城が世界に誇る美しさと堅牢な防御力は、それぞれ異なる戦国・江戸初期の思想を体現しています。各城の必見ポイントを解説します。

1. 姫路城(兵庫県)|白亜の要塞、連立式天守の極致

「白鷺城(しらさぎじょう)」の美名で親しまれる姫路城の神髄は、大天守と3つの小天守(東小天守・乾小天守・西小天守)を渡櫓で結んだ連立式天守群の立体的な美と防御機能にあります。白漆喰総塗籠造は耐火性に優れると同時に、圧倒的な威容を誇ります。城内には「ろの門」「はの門」など迷路のような通路と無数の狭間(さま)、石落としが張り巡らされ、実戦の緊張感を今に伝えています。

2. 松本城(長野県)|黒漆の威圧感と北アルプスの借景

五重六階の天守としては現存最古を誇る松本城。外壁下部に施された黒漆塗りの下見板と白漆喰のモノトーンの対比が、見る者を圧倒します。戦国末期(文禄年間)の鉄砲戦を意識した武骨な大天守・渡櫓・乾小天守に対し、平和が訪れた寛永期に増築された開放的な「月見櫓」と「辰巳附櫓」が一体化した連結複合式の姿は、戦乱から泰平への時代の変遷をひとつの城郭の中で如実に物語っています。

3. 犬山城(愛知県)|木曽川の要衝を見下ろす最古級の望楼

木曽川沿いの急峻な断崖にそびえる犬山城は、城郭ファンから「白帝城」とも称されます。二階建ての主屋の上に望楼(見張り台)を載せた初期望楼型天守の姿を色濃く残しており、小規模ながらも均整の取れた佇まいが特徴です。最上階の高欄(こうらん)と廻縁(まわりえん)には遮るものがなく、木曽川の滔々たる流れと濃尾平野のパノラマを一望できます。

4. 彦根城(滋賀県)|破風の重奏が織りなす徳川重臣の誇り

井伊直政の遺志を継ぎ、徳川幕府の西国への睨みとして築かれた彦根城。外観の美しさは五城の中でも際立っており、切妻破風、入母屋破風、唐破風がリズミカルに配置され、最上階には禅宗様の花頭窓(かとうまど)があしらわれています。軍事拠点としての天守でありながら、装飾性に富んだその優美さは、譜代大名筆頭・井伊家の権威を誇示する見事な建築美です。

5. 松江城(島根県)|63年ぶりの悲願!実戦本位の黒き巨城

宍道湖畔に鎮座する松江城(千鳥城)は、慶長16年(1611年)に堀尾吉晴によって築城されました。天守の壁面は雨風に強い黒塗りの下見板で覆われ、極めて武骨な実戦仕様となっています。内部には地階に設けられた深さ約24メートルの井戸や、天守を支えるために柱を鉄板や木板で巻いて補強した「包板(つつみいた)」など、建築資材不足を高度な大工技術で克服した痕跡が克明に残されています。

田中 結衣

田中 結衣

デジタルマーケティングコンサルタント

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。