圧力鍋カレーでルー先入れは危険?失敗しない水の黄金比と絶品レシピ
「圧力鍋で作ったカレーが、シャバシャバでコクがない」「薄いスープのようになってしまった」という失敗も頻発しています。この現象を引き起こす主因は、鍋の密閉構造に対する認識不足です。通常の煮込み鍋では、30分から1時間の加熱中に水分全体の約20%から30%が蒸気となって大気中へ蒸発します。市販のルーの箱に記載されている「水800ml(5〜6皿分)」という分量は、この蒸発量を織り込み済みで設計された数値です。
対して圧力鍋は、密閉状態で内部の気圧を高めるため、調理中の水分蒸発量はわずか数パーセントにとどまります。さらに、玉ねぎ(水分含有率約90%)やトマト、肉から大量の結合水・自由水が外へと染み出します。そのため、ルーの箱に書いてある通りの水を注ぐと、完全に水分過多となって味がぼやけてしまうのです。プロが現場で実践している圧力鍋カレー水の量の黄金比は、パッケージ記載量の75%〜80%への減量です。例えば通常レシピで600mlと指定されている場合は、450mlから480mlに抑えるのが鉄則となります。
仕上がりの食感を左右するもうひとつの決定打が、圧力鍋カレー加圧時間と放置時間のコントロールです。加圧時間とは「圧力がかかってピンが上がり、弱火にしてからの時間」を指し、放置時間とは「火を止めて余熱で内圧が自然に下がるのを待つ時間(減圧時間)」を指します。肉のコラーゲンがゼラチン化して柔らかくなるには、一定の高温状態を維持した後の「緩やかな温度降下」が欠かせません。ピンを早く下げたいからと無理に蒸気弁をひねって急減圧(強制排気)を行うと、肉の内部の水分が一気に沸騰して外へ逃げ出し、パサパサの出がらし状態に変化してしまいます。