タッカンマリとサムゲタンの違いは?具材・食べ方・味の決定差を解説
現地韓国と日本のコリアンタウンにおいて、タッカンマリとサムゲタンのどっちが人気なのかという疑問は頻繁に議論されます。結論から言えば、これは「優劣」ではなく「利用時間帯と文脈」によって棲み分けられています。
象徴的なのがソウルの巨大市場街、東大門(トンデムン)にある通称「タッカンマリ通り」の現場です。ミシュランガイドにも掲載された伝説的名店「陳玉華ハルメ元祖タッカンマリ」の前には、深夜になっても数百人の行列が途絶えません。市場で買い付けを行うバイヤーや地元の若者たちが、湯気で白く曇るガラス戸の店内でソジュ(韓国焼酎)を片手に鍋を囲む熱気は圧巻です。現地特有の銀色ボウルに山盛りになったニンニクのすりおろしをドサッと鍋に放り込み、煮詰まった鶏ガラスープをすするスタイルは、活気あふれる夜の食文化そのものです。
一方、サムゲタンの有名店として知られる景福宮近くの「土俗村(トソクチョン)」などは、昼間のランチタイムや観光客、そして夏場の「伏日(ポンナル=日本でいう土用の丑の日)」に爆発的な混雑を見せます。韓国では「以熱治熱(イヨルチヨル:熱をもって熱を制す)」という医食同源の哲学があり、猛暑の盛りに汗を流しながら滋養強壮スープを胃に流し込む習慣があります。オフィス街で働く会社員が体調を整えるために一人で立ち寄る光景も日常茶飯事です。
日本の新大久保や大阪・鶴橋でもこの傾向は忠実に再現されています。知恵袋やグルメSNSの投稿を分析すると、「女子会や会社の飲み会でワイワイ食べるなら絶対にタッカンマリ」「連日の残業で免疫力が落ちている時や、一人で身体に優しいスープを飲みたい時はサムゲタン」という明確な使い分けが定着しています。