都心のパナマ運河!扇橋閘門で体感するダイナミックな水上体験

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扇橋閘門が位置する小名木川(おなぎがわ)には、400年以上前に遡る歴史的なルーツがある。天正18年(1590年)、江戸に入府した徳川家康は、城下町の建設に不可欠な塩を房総方面(行徳塩田)から安全に運ぶため、小名木四郎兵衛に命じて直線的な運河を掘削させた。これが小名木川の始まりである。

東京湾の荒波や海賊のリスクを避け、隅田川へと直接物資を送り込めるこの水路は、江戸の急成長を支える大動脈となった。明治以降も周辺には工場や倉庫が立ち並び、日本屈指の工業地帯として栄えたが、その代償として過度な地下水利用による深刻な地盤沈下を引き起こすことになる。

川の水位が周囲の堤防や住宅地よりも高くなってしまう危険な状況を打破するため、昭和51年(1976年)に完成したのが現在の扇橋閘門だ。先人たちの知恵と近代の土木工学が交差するこの場所には、地形の制約を克服しながら都市を発展させてきた人間の執念が刻まれている。

橋本 菜々子

橋本 菜々子

トレンドリサーチャー

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。