物乞いからネット投げ銭へ 現代の法と倫理が問う「乞食」の深層
法的な観点から見れば、日本において物乞いは明確に違法行為と位置づけられている。軽犯罪法第1条22号には「こじきをし、又はこじきをさせた者」を拘留または科料に処すると明記されている。ここで重要なのは、なぜ生存の危機に瀕した個人の行為が刑罰の対象となるのかという点だ。
警察庁の法執行における解釈では、同法が保護するのは主として社会の善良な風俗と公衆の平穏である。反復・継続して不特定多数に無償の金品を要求する行為は、通行人に対する迷惑や威圧となり得るだけでなく、健全な勤労観を損なうとみなされる。だが、この規定に対しては「貧困を犯罪化している」との批判も根強く、憲法第25条が保障する生存権との整合性をめぐる議論は今なお法曹界でくすぶり続けている。