根室の赤いダイヤが揺らす2026年の食卓――なぜ今、花咲ガニの争奪戦が激化しているのか
これまで、このカニは「足が早い」ことで知られていた。脂分が多いため酸化しやすく、水揚げ当日に浜茹でされたものを現地で食べるのが絶対的な正義とされてきた歴史がある。その常識を、最新のコールドチェーン技術が塗り替えつつある。
2026年現在、一部の先駆的な水産加工場では、茹で上げ直後のカニの細胞膜を一切破壊せずにマイナス60度まで瞬時に冷却するスラリー氷結技術が実用化された。解凍してもドリップがほとんど出ず、茹でたての繊維感と芳醇な香りがそのまま東京や大阪の家庭へ届く。この技術革新が、全国的な需要をさらに過熱させる起爆剤となった。