地球と月の距離は何キロ?新幹線や光の到達時間と遠ざかる真相を徹底検証
天文学界において広く証明されている驚くべき事実の一つが、「月は現在も地球から徐々に遠ざかっている」という現象です。アポロ計画で設置された反射板による月レーザー測距の測定データにより、月は年間約3.8cmのペースで地球から遠ざかっていることが判明しています。
月が遠ざかる理由 潮汐力(ちょうせきりょく)と呼ばれる重力の相互作用にあります。この現象が生じる物理的なメカニズムは以下の3ステップで説明されます。
- 海の満ち引きと海水の移動:月の引力によって地球の海水が引っ張られ、月に向いた側とその反対側の2箇所に「海水の膨らみ(潮汐バルジ)」が生じます。
- 自転による位置のズレ:地球の自転速度(1日1回転)は、月の公転速度(約27.3日で1周)よりもはるかに速いため、海水の膨らみは地球の自転に引きずられて月の位置よりも少し前方(東側)へ先行します。
- 引力の引っ張り合いと軌道の拡大:先行した海水の膨らみが持つ重力が、前方に月をグイグイと引っ張る形になります。これにより月は加速エネルギーを受け取って公転軌道が外側に広がり、結果として年約3.8cmずつ外側へ逃げていくことになります。
同時に、月を引っ張るためにエネルギーを使った地球側は、自転速度にブレーキがかけられています。その結果、地球の1日の長さは100年ごとに約1.7ミリ秒ずつ長くなっているのです。
約45億年前に月が誕生した直後は、地球と月の距離はわずか約2万〜3万km程度しかなく、空の大部分を巨大な月が覆い尽くしていたと考えられています。逆に、遠い未来(約6億年後)には月が遠ざかりすぎて太陽を完全に覆い隠すことができなくなり、地球上から「皆既日食」が見られず「金環日食」しか観測できなくなると予測されています。