将棋の駒の読み方完全図解!裏面の漢字や動かし方・序列まで徹底解説
初心者が盤面を見て最も当惑するのが「駒の裏側に書かれた文字が読めない」という現象です。書道における草書体や変体仮名が用いられているため、現代の活字印刷に慣れた目には記号や別の文字のように映ります。
裏面の文字に関する読み方と歴史的背景を整理すると、先人の極めて合理的かつ洗練された設計思想が見えてきます。
成香(なりきょう)、成桂(なりけい)、成銀(なりぎん)の3つは、いずれも「金将」と同じ動きに変化する駒です。高級な彫り駒や盛り上げ駒の裏面を観察すると、一見異なる文字に見えますが、すべて「金」という文字のくずし方を変えて彫り分けたものです。画数の多さや筆の払いの違いによって、元が銀なのか桂馬なのか香車なのかを識別できるように工夫されています。
一方、歩兵の裏面である「と金(ときん)」の由来には複数の有力説が存在します。
- 「今」の草書体説:「金」と同音であり、「今(いま)金になる」という意味を込めて「今」の崩し文字を採用したとする説。
- ひらがなの「と」説:ひらがなの「と」に見立て、縁起の良い「登金(金を登る)」の頭文字を取ったとする説。
- 「止」の転化説:歩の前進が止まり、金となって留まる意を示す説。
将棋史研究の文献によると、江戸時代の駒師たちが文字の判別性と美しさを両立させる過程で現在の書体が定着したとされています。「裏返ったら金になる」というルールが視覚的にも直感的に伝わる構造になっています。