北野武とレース鳩の知られざる絆!少年時代の熱中秘話と現在の真相
詳細を見る
北野武が育った足立区の下町界隈では、1960年代初頭から男子学生の間でレース鳩の飼育が大流行していた。当時、子どもたちにとって大空を数百キロも越えて我が家へと戻ってくる鳩の姿は、未知の世界へのロマンそのものだった。北野少年がレース鳩にのめり込んだ最大の理由は、「自分の手で育て上げた鳥が、遠く離れた見知らぬ土地から自分の元へと帰ってくる」という知的好奇心と、勝負事に対する強い執着心にあった。
当時の北野家は決して裕福ではなく、父・菊次郎氏の厳しい視線や母・さき氏の教育方針の中で、鳩の飼育スペースを確保するのは至難の業だった。それでも北野少年は、木材の切れ端や金網をかき集めて長屋の屋根裏やベランダに手作りの鳩舎を設置。毎朝早く起きては鳩舎の掃除を行い、配合飼料の配分を工夫しながら、過酷な訓練メニューをこなしていたという。
近所の仲間たちと自転車で遠方まで鳩を運び、放鳩(ほうきゅう)してはどちらの鳩が先に自宅へ戻るかを競い合う日々。下町の路地裏で繰り広げられたこの徹底した鳩舎管理と訓練の積み重ねが、後にあらゆる分野で発揮される北野武の緻密な分析力と集中力の基礎となった。