渡辺さんは豆まき不要?鬼が逃げ出す理由と歴史の真相
節分の豆まきは、季節の変わり目に生じる邪気(魔=魔を滅する「魔滅(まめ)」)を追い払うための神聖な儀礼です。しかし、全国に約100万人以上存在する渡辺姓(渡部など異体字を含む)の家庭では、古くから「そもそも家に鬼が寄り付かないため、追い払う必要がない」と語り継がれてきました。
鬼が渡辺家を避ける決定的な理由は、平安中期の武将である渡辺綱(わたなべのつな)の存在にあります。朝廷や都の人々を震撼させていた凶悪な鬼たちを完膚なきまでに打ち倒した綱の武勇は、鬼たちの間に深いトラウマを植え付けました。鬼の頭領や配下の怪異たちは「渡辺の家紋や名を見るだけで恐れおののいて退散する」ようになり、豆で威嚇せずとも家内安全が保たれると信じられるようになったのです。