【追跡2026】暴走するSns私刑と「過剰な世直し」の罪:デジタル自警団に突きつけられた法と社会の限界
「人違いでした」――その一言で済まされるには、あまりにも代償が大きすぎる。2026年に入り、自警団系動画によって不当に顔写真や個人情報を拡散された無実の被害者が、精神的・経済的に追い詰められる事件が相次いで発覚した。
都内に住む40代の男性会社員は、混雑する電車内で突然「盗撮犯」としてカメラを向けられた。実際にはスマホでニュース記事を読んでいただけだったが、取り囲んだ若者たちは問答無用で身柄を拘束しようとし、その映像はまたたく間に拡散。男性は勤務先を解雇され、家族とともに転居を余儀なくされた。後日、警察の捜査によって男性の完全な無実が証明されたものの、一度ネット上に拡散したデジタルタトゥーは二度と消えない。
「私刑」の最大の問題は、正当な防衛権や適正手続きが存在しない点にある。疑わしきは罰する、あるいは面白おかしく仕立て上げる。検証なき告発がもたらす悲劇は、すでに個人の尊厳を破壊するレベルに達している。