静岡県富士山世界遺産センターの見どころ解説!坂茂建築と評判の真相
静岡県富士山世界遺産センターがオープン以来、観光客のみならず建築愛好家や文化研究者からも絶賛されている背景には、富士山という象徴的な存在を「建築・体験・景観」の三位一体で再解釈した綿密な設計思想があります。
施設前面に設けられた浅い水盤の前に立つと、富士ヒノキの木格子で組まれた巨大な逆円錐形の展示棟が視界に飛び込んできます。この構造物は水面に反射することで、鏡像として美しい正立の富士山を現出させます。建築界のノーベル賞と称されるプリツカー賞を受賞した建築家・坂茂氏によるこの「逆さ富士」のアプローチは、富士山の霊峰としての崇高さを視覚的・空間的に昇華させた傑作として世界的な話題を呼びました。
さらに、館内に足を踏み入れると、海抜0メートルの駿河湾から山頂3776メートルに至る登山行程を約193メートルのらせんスロープで疑似体験できる動線が構築されています。単に展示ケースを眺める従来の博物館スタイルを排し、来館者自らが身体を動かして山頂を目指すシークエンスこそが、多くの人々を惹きつけてやまない決定的な理由です。