美容室にパーカーは迷惑?美容師の本音と失敗を防ぐ服装の極意
日常着として快適なパーカーが、ひとたび施術用クロスをまとうと、複数のトラップへと変化します。現場で特にトラブルの引き金となりやすい美容室でのパーカーNG理由は、主に3つの局面に集約されます。
第1の要因は、シルエットの崩壊です。特にボブやショートヘアにおいて、美容室でのパーカー着用は襟足カットの精度を致命的に狂わせます。フードの生地が首の後ろに挟まることで頭部がわずかに前傾し、仕上がった瞬間は整って見えても、帰宅後にフードを外すと襟足がガタガタになっていたという事例は後を絶ちません。サロンワークにおいて1ミリのズレは命取りであり、厚手のスウェット生地がもたらす数ミリの誤差は仕上がりの完成度を一段階落としてしまいます。
第2の要因は、美容室のシャンプー台で起きるパーカーの水濡れ事故です。バックシャンプーであれサイドシャンプーであれ、首元をネープクッションに密着させる必要があります。ところが、フードの立ち上がりがあることで首と陶器の間に物理的な隙間が生じ、そこへシャンプーのお湯が伝い漏れてインナーまで濡らしてしまうリスクが跳ね上がります。お湯の侵入を防ごうとフードをめくれば結び目が首の後ろを圧迫し、顧客自身も施術中に頸部へ激痛を抱えることになります。
第3の盲点が、クロスをかけた状態での美容室におけるカラー剤の汚れです。フードが存在するとカットクロスやカラー用ケープの襟元が綺麗に密着せず、隙間から薬剤が入り込んだり、襟足付近の塗布作業中にフードの布地へ薬剤が接触したりする危険が生じます。顧客が大切にしている服であればあるほど、スタイリスト側にはプレッシャーとなり、スムーズな作業速度が削がれてしまいます。