日本で安楽死はなぜ違法なのか?尊厳死との違いと法制化の現在地

日本で安楽死はなぜ違法なのか?尊厳死との違いと法制化の現在地の真相や最新動向に迫る! 専門的な視点でご紹介しています。

報道各社や調査機関が実施する世論調査のデータを紐解くと、日本の民意は「安楽死の容認」に大きく傾いています。朝日新聞社やNHK等の継続調査において、安楽死の法制化に対して「賛成」「どちらかといえば賛成」と回答した割合は一貫して70%前後を推移しています。

SNSやネット掲示板、Q&Aサイトに寄せられる当事者・家族の生の声には、綺麗事では済まされない介護の過酷さと死の恐怖が滲み出ています。

  • 「認知症で人格が崩壊し、家族を罵倒する姿を誰にも見せたくない。自分の尊厳が保たれているうちに自らの意思で人生を閉じたい」
  • 「親の老老介護で一家心中寸前まで追い詰められた。もし合法的な安楽死という選択肢があれば、心にどれだけの救いがあっただろうか」
  • 「健康な人間が『命は神聖だ』と説教するのは傲慢。末期がんの骨転移の痛みはモルヒネでも取れず、ただ死を祈る時間だった」

これに対し、医療従事者のリアルな反応は対照的です。日本医師会や日本緩和医療学会に所属する臨床医からは、「死の処置」を医療に組み込むことに対する強烈な抵抗感が示されています。

「治すこと、苦しみを和らげることを誓った医師に、致死薬を投与して人を殺める役目を押し付けないでほしい」「誰がその注射器を押すのか。その後の医療者のトラウマを誰が背負うのか」という現場の悲鳴は極めて切実です。世論の「死を選ぶ権利」という抽象的な願望と、現場の「命を奪う当事者になる責任」との間には、依然として埋めがたい断絶が存在します。

小林 直樹

小林 直樹

トレンドリサーチャー

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。