アンパンマンのチーズ声優は山寺宏一!兼役の真相と鳴き声の裏話
1988年10月の放送開始当初、当時まだ20代後半だった山寺宏一は、オーディションを経てめいけんチーズ役に抜擢されました。当初、犬の鳴き声だけのキャラクターに対して若手声優を充てるキャスティングは業界内でも異例と目されていましたが、そこには音響制作陣の明確な意図が存在していました。
関係者の回想録や当時のインタビューによると、制作陣が求めたのは単なるリアルな犬の鳴き真似ではなく、「言葉を発しないながらも、アンパンマンやバタコさんと完全に意思疎通ができる高い感情表現力」でした。山寺宏一が吹き込む「アンアン!」という声は、怒り、喜び、恐怖、警告、甘えといった機微を完璧に演じ分けており、台本上でも「アンアン(早くパンを届けて!)」のように通常のセリフと同様のト書きが記されていると語られています。
一切の人間の言葉を使わずに喜怒哀楽を視聴者に届けるこのアプローチこそ、山寺宏一という卓越した表現者の原点であり、現在まで続く作品のクオリティを底上げする屋台骨となっています。