玉掛けの吊り方一覧完全ガイド|事故ゼロを叶える荷重計算と基本技術

玉掛けの吊り方一覧完全ガイド|事故ゼロを叶える荷重計算と基本技術にまつわる役立つ知識を分かりやすく発信ます。

Q1:目通し吊り(チョーク吊り)とあだ巻き掛け吊りはどう使い分けるべきですか?
A1:角材や滑りにくい一般的な単体荷物であれば「目通し吊り」で十分な摩擦力を確保できます。一方、足場単管や鋼管の束、メッキ加工された滑りやすい円柱状の荷物を吊る場合は、荷崩れや抜け落ちを防ぐために2周巻きつける「あだ巻き掛け吊り」を必ず選定してください。

Q2:吊り角度が60度を超えるとどれくらい危険ですか?
A2:吊り角度が60度を超えると、スリングにかかる張力が急激に増加し始めます。例えば90度では垂直時の約1.41倍、120度では2.0倍の張力がかかります。さらに、荷を左右から強く締め付ける圧縮力が働くため、荷自体の破損や座屈、スリングの横滑りを引き起こすリスクが跳ね上がります。現場では原則60度以内を死守してください。

Q3:4本吊りであっても「2本吊り」として強度計算しなければならないのはなぜですか?
A3:鋼材などの硬い荷物を吊る際、スリングのわずかな長さの違いや荷の歪みにより、実際には対角の2本に荷重の大部分が集中する「不静定構造」となるためです。残りの2本は遊びが生じるため、安全を見越して「実質2本で全荷重を支える」前提で用具を選定することが法令および安全基準上の鉄則です。

Q4:スリングベルトの廃棄基準と耐用年数はどのように判断しますか?
A4:外観基準としては、ベルトの織り目が裂けて内部の芯糸(白色等の警告層)が見えているもの、縫製糸の切断、熱や薬品による著しい変色・硬化があるものは即廃棄です。外観に異常がなくても、紫外線劣化を考慮し、屋内で7年、屋外や高頻度使用では3年を目安に定期更新を行う必要があります。

Q5:玉掛け作業における「地切り」とは具体的に何をする作業ですか?
A5:荷を地面や台座から10〜30cmだけ浮かせた状態で巻き上げを一旦停止し、荷のバランス(水平度)、スリングのズレや噛み込み、クレーンのブレーキ性能、フックのラッチ外れがないかを全方位から確認する作業です。玉掛け事故の大部分は、この地切り確認を確実に実施することで未然に防止できます。

林 結菜

林 結菜

ライフスタイル編集者

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。