お正月の歌「もういくつねると」に隠された真実と2番の歌詞の謎
インターネット上のQ&AサイトやSNSでは、「子どもの頃、1番しか歌った記憶がない」「2番の歌詞を大人になって初めて知った」という投稿が毎年正月前後に多数寄せられます。全国の幼稚園・保育園において、なぜ2番の歌唱頻度が低下しているのか、その背景には複数の現実的な要因が存在します。
第1に、生活様式と遊具の完全な変化です。凧や独楽は園の行事や製作カリキュラムとして今なお取り入れられる機会がありますが、本物の手毬や羽子板を日常的に体験できる園は極めて少数派です。子どもにとって実物を目にしたことがない「おいばね」「まり」という言葉は情景を想像しにくく、指導する教育現場でも説明に時間を要するという実情があります。
第2に、朝の会や音楽指導における時間配分の問題です。12月の保育現場は生活発表会やクリスマス会、年末の片付けなどが重なる過密スケジュールです。短時間で集中して季節感を味わわせるため、最も馴染み深い1番のみを繰り返して歌う指導法が定着した結果、2番が自然とフェードアウトしていったという現場教諭の証言も多く見られます。
さらに一部の教育評論からは、1番が男児、2番が女児という固定的な性別役割分担(ジェンダーロール)を意識させないよう配慮した結果ではないかという指摘もあります。しかし現場の主眼は思想的な排除ではなく、子どもの生活実感に寄り添うという極めて実用的な理由によるものです。