アバクロ銀座撤退の真相と跡地の今|上半身裸モデルの熱狂と現在

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あれほどの社会現象を巻き起こした旗艦店が、なぜ姿を消すことになったのでしょうか。アバクロ銀座閉店理由とアバクロンビー&フィッチ日本撤退理由の背景には、単なる一過性の流行終息にとどまらない、複合的な経営課題とグローバル戦略の転換が存在していました。

最大の直接要因は、銀座中央通りという超一等地における固定費の極大化です。業界関係者の試算によると、11フロアを一括賃借していた銀座ビルの年間賃料は15億円から20億円規模に上っていたとされます。2010年代半ば以降、ファストファッションの急速な浸透やEC市場の急拡大により、実店舗の役割が「販売の場」から「ショールーム」へと変容する中、超大型旗艦店の投資対効果は急速に悪化していきました。

さらに追い打ちをかけたのが、ブランドイメージの失墜とアバクロンビー&フィッチ評判と衰退の真相として語られる構造問題です。当時のCEOマイク・ジェフリーズ氏が過去のインタビューで語った「アバクロは、学校で人気者で魅力的な『クールな子』のための服であり、それ以外の人には着てほしくない」という選民思想的な発言がネット上で再燃。さらに採用における人種差別や体型差別を巡る訴訟が相次ぎ、米国本社は世界的なボイコット運動に直面しました。「排他性とセクシーさ」を武器にしていた戦略が、時代の潮流である多様性(ダイバーシティ)と真っ向から衝突したのです。

そして2026年、世界を襲った新型コロナウイルス感染症のパンデミックが決定打となりました。インバウンド需要が完全に蒸発し、深夜のクラブを模した密閉・密集型の店舗空間は消費者から敬遠される事態に。米国本社が発表したアバクロンビー&フィッチ公式発表の事業報告書において、世界各地の巨大旗艦店を段階的に閉鎖し、小型店やデジタル販売へシフトする方針が明確に示され、銀座店もその波に抗うことなく2026年末をもって静かに営業を終了しました。

清水 千尋

清水 千尋

フード&トラベルライター

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。