熱中症で熱は出る?微熱が続く理由と高熱の危険信号【2026年最新】

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発熱時のセルフメディケーションとして、市販の解熱鎮痛薬(ロキソプロフェンやアセトアミノフェンなど)に手を伸ばす方は少なくありません。しかし、熱中症に対して解熱剤を使用することは医学的に禁忌に近い行為です。

解熱剤が効かない根本的理由と腎・肝障害リスク

アスピリンやロキソプロフェンといった非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、体内の炎症物質であるプロスタグランジン(PGE2)の合成を阻害することで、脳の体温設定を下げる薬です。しかし、前述の通り熱中症は「設定温度が上がっている」のではなく、「放熱ができずに熱が蓄積している」状態です。原因がプロスタグランジンではないため、薬理学的に解熱剤をいくら投与しても体温は1度も下がりません。

それどころか、脱水状態の身体に解熱鎮痛剤を入れると、腎血流量が急激に低下し、急性腎障害(AKI)を誘発します。さらに肝臓での薬物代謝負荷が重なり、多臓器不全の引き金を引く危険性すらあります。高熱が出ているからといって安易に解熱剤を服用させてはなりません。

熱がないのに危険?「熱中症頭痛熱なし」の病態

もう一つの深刻な誤解が、「熱を測ったら36度台の平熱だから、熱中症ではなく単なる寝不足や肩こりだろう」という思い込みです。

熱中症の初期〜中期(いわゆる「熱疲労」の段階)では、体温調節がまだ部分的に機能しており、大量の発汗によって深部体温が平熱〜微熱程度に保たれているケースが多々あります。しかし体内では、急激な脱水によって循環血液量が減少し、脳へ送られる酸素や血流が不足しています。この脳虚血や電解質異常(低ナトリウム血症)によって激しいズキズキとした頭痛が生じるのです。

体温が上がっていないからといって安全なわけではありません。むしろ「体温は平熱だが、激しい頭痛、吐き気、手足の震えがある」状態は、重篤なショック状態へ移行する前兆(熱中症Ⅱ度)であり、迅速な経口補水や医療機関受診を要する警戒水準です。

松本 悠斗

松本 悠斗

サステナビリティ研究家

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。