鳥インフルでなぜ全羽殺処分?治療やワクチンを打たない理由の真相

鳥インフルでなぜ全羽殺処分?治療やワクチンを打たない理由の真相についての最新情報をご紹介します。

「人間のようにワクチンを打って予防できないのか?」という疑問は、最も多く寄せられる声の一つです。実は技術的にはニワトリ用の鳥インフルエンザワクチンは開発されています。それでも日本国内で原則としてワクチンを接種しないのには、明確な3つの理由が存在します。

第1に、「隠れ感染(不顕性感染)」の発生です。ワクチンを接種した鳥は発症を防ぐことができますが、ウイルスに感染自体はしてしまいます。症状が出ないまま体内でウイルスが増殖し、糞などから排出し続けるため、感染の発見が遅れて地域一帯へ知らぬ間にウイルスを撒き散らす危険性があります。

第2に、国際貿易上の制限です。清浄国(ウイルスが存在しない国)としてのステータスを失うと、日本の鶏肉や鶏卵の輸出がストップし、畜産業界全体が深刻な経済的打撃を被ります。

第3に、ウイルスの変異リスクです。中途半端な免疫環境下でウイルスが生き残り続けると、ワクチンが効かない新たな変異株を生み出す温床となり、結果として事態を悪化させるリスクを孕んでいます。

井上 凛

井上 凛

シニアコンテンツプロデューサー

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。