希ガスとは?貴ガスへの変更理由と反応しない秘密・全元素の特徴を解説
「反応しない」という希ガスの特徴は、裏を返せば「どのような過酷な環境でも他の物質を邪魔せず、劣化させない」という最強の武器になります。私たちの暮らしの裏側には、希ガスを活用した高度なテクノロジーが数多く組み込まれています。
【ヘリウムとアルゴンの用途】
ヘリウムはアミューズメント用風船だけでなく、病院の「MRI(磁気共鳴画像診断装置)」に搭載された超伝導磁石を絶対零度近くまで冷やし続ける冷却剤として命を支えています。一方のアルゴンは、チタンやステンレスの溶接時に金属が高温で空気中の酸素と反応して脆くなるのを防ぐ「シールドガス」として産業界で大活躍しています。また、ワインボトルの酸化防止スプレーや、高級複層ガラス(二重サッシ)の内部に注入される断熱材としても普及しています。
【キセノンが切り拓く最先端分野】
キセノンは日本の小惑星探査機「はやぶさ」「はやぶさ2」のイオンエンジンに燃料として採用されたことで世界的な注目を集めました。電気的にイオン化して高電圧で噴射する際、原子量が大きく重いため、少ない燃料で強力な推進効率を得られる利点があります。さらに医療分野では、副作用の極めて少ない全身麻酔薬やCT検査の造影用ガスとしての臨床応用が進むなど、高付加価値な先端素材として需要が急増しています。