りくりゅう頂点へ!怪我を乗り越えた新プログラムと五輪への覚悟
カナダ・オークビルの拠点で二人を鍛え上げる名匠ブルーノ・マルコットコーチの指導は、極めて論理的かつ情熱的だ。彼が何よりも徹底させたのが、ペアスケーティングの常識を覆すほどの「滑走スピード」の維持である。
多くのペアがエレメンツの直前で体勢を整えるために減速する中、三浦と木原は助走の勢いを一切落とさずにツイストリフトやスロージャンプへと突入する。氷を深く削るエッジワークと、遠心力を推進力へと変換する独自のフォーム。マルコットコーチは二人の体格差や骨格の特性を徹底分析し、最小限の力で最大限の飛距離と高さを生み出すメカニズムを叩き込んだ。
「スピードは恐怖を呼ぶが、その恐怖を乗り越えた先にしか真の美しさは存在しない」。コーチのこの哲学を、二人は過酷な反復練習によって体現してきた。サイド・バイ・サイドのジャンプにおける驚異的な回転の同期も、このスピード練習の賜物だ。スピードを殺さずに滑り抜けるスリリングな爽快感こそが、世界中のジャッジを唸らせる最大のファクターとなっている。