岡江久美子が遺した温もり『天までとどけ』と笑顔の知られざる真実
1996年秋、TBSテレビがスタートさせた『はなまるマーケット』は、当時のワイドショー界に静かな革命を起こした。過激なスキャンダルや事件報道が過熱していた時代に、徹底して生活情報と明るい話題に舵を切ったこの朝の情報番組で、中心に座ったのが彼女だった。
共同司会を務めた薬丸裕英とのコンビネーションは、テレビ史に残る絶妙なバランスを誇った。几帳面でしっかり者の薬丸に対し、岡江は飾らない素直なリアクションと天性の朗らかさでスタジオを包み込む。段取り通りに進まないハプニングすら、彼女がひとたび笑い飛ばせば、お茶の間の微笑ましいハプニングへと昇華された。気取らない主婦目線と、誰も傷つけない言葉選び。17年半にわたり毎朝届けられたその姿は、全国の家庭にとってかけがえのない生活のリズムそのものだった。