加山雄三と父・上原謙の真実!巨額借金と昭和映画を駆けた親子の絆
日本映画界において、上原謙と加山雄三が残した足跡は対照的でありながら見事な連続性を持っている。上原謙は戦前・戦後の松竹で黄金期を築き、田中絹代と共演した『愛染かつら』で爆発的な社会現象を巻き起こした。さらに成瀬巳喜男監督の傑作『めし』で見せた倦怠期の夫役など、単なる二枚目にとどまらない繊細な演技派としての地位を確立していく。
対する加山雄三は東宝でデビューを果たし、持ち前の明るさと抜群の運動神経を武器に『若大将シリーズ』で一世を風靡した。湘南の海、スポーツ、エレキギター、そして甘い歌声。暗い影を背負った父の世代とは異なり、加山は戦後日本の希望そのものを体現するアイコンとなった。母である元女優・小桜葉子(明治の元勲・岩倉具視の曾孫)の上品な育ちと、父から受け継いだ天性のスター性。二つの血が見事に結実した瞬間だった。松竹と東宝というライバル会社を舞台に、親子それぞれが異なる時代を象徴する主演俳優として君臨した例は、昭和映画史を見渡しても極めて稀有である。