数週間眠り続ける「眠れる森の美女症候群」原因・過食症状と最新治療
眠れる森の美女症候群の正式な医学名称は「クライン・レビン症候群(Kleine-Levin Syndrome:略称KLS)」と呼ばれます。国際睡眠障害分類において「中枢性過眠症群」に分類される極めて稀な疾患で、人口100万人あたり1〜2人程度と推定される希少難病です。
この疾患の最大の特徴は、「周期性」を持って激しい症状(発作期)が現れ、一定期間を過ぎると完全に普段通りの状態(間欠期)へ戻るという点にあります。発作期に入ると、主に以下のような複合症状が一挙に押し寄せます。
最も顕著なのが激しい傾眠(過眠期)です。1日のうち18〜20時間以上を眠って過ごし、無理やり起こそうとしても泥酔したように意識が朦朧として会話が成立しません。起きていても現実感が失われる「離人症」や、夢と現実の境界が曖昧になる強い混乱状態に陥ります。
覚醒時に際立つのが異常な過食行動です。満腹中枢のコントロールが失われ、目の前にある食べ物を手当たり次第に貪り食う、普段は好まない甘味やジャンクフードを異常な量摂取するといった行動が突発的に現れます。さらに、普段は穏やかな人が攻撃的になったり、幼児退行を起こしたり、衝動的な性欲亢進(不適切な発言や脱抑制行動)を見せたりと、本人の本来の人格とはかけ離れた精神症状を伴う点も特徴です。
発作期は通常1週間から数週間ほど続き、その後は何事もなかったかのようにすっきりと覚醒します。しかし、発作中の記憶はほとんど残っておらず、数週間分の時間が人生から突如抜け落ちてしまうような恐怖と喪失感に苛まれます。