2026年、日本の外食シーンを揺るがす「夜1回転」の逆説——あえて客を断る高級店の勝算
1990年代以降、日本の外食産業は「いかに早く客を入れ替え、回転数を稼ぐか」という効率重視のレースを走り続けてきた。だが、そのモデルは限界に達している。スタッフの長時間労働と大量のフードロスを前提とした構造は、現代の労働環境や持続可能性の観点と決定的に相容れないからだ。
今、都心部を中心に広がっているのは、1回のサービスにすべてのリソースを注ぎ込む「質的集約」へのシフトだ。ある銀座の鮨店では、座席数を8席に絞り、夜の営業を19時からの1回のみに限定した。客単価は以前の1.8倍に跳ね上がったが、予約枠は数ヶ月先まで埋まり続けている。量を追う営業から、質を極める営業への転換が、結果として店舗のブランド価値を飛躍的に高めている。