国立競技場はなぜ隈研吾案に?木材劣化の真相と2026年の現在地
Q1:なぜザハ・ハディド案は白紙になり、隈研吾案が選ばれたのですか?
A1:ザハ案は複雑なアーチ構造により建設費が2520億円へと高騰し、工期遅延の恐れが高まったため白紙撤回されました。再コンペでは、予算枠(約1590億円以内)に収まる約1569億円の総工費と、確実な工期短縮、神宮外苑の景観に調和する低層・木材活用デザインを提示した隈研吾氏らの共同企業体(A案)が採用されました。
Q2:軒庇(のきびさし)に使われている木材は雨で腐ったり劣化したりしないのですか?
A2:木材には高度な防腐・防蟻・防炎処理が施されています。さらに設計段階で、上部の庇が傘となり直射日光や雨水が直接当たりにくい構造的工夫が施されています。経年による色合いの変化(シルバーグレー化)は想定内であり、定期的な点検・メンテナンスによって長期的な耐久性が維持されています。
Q3:国立競技場に大型の冷暖房空調設備がないのはなぜですか?
A3:膨大な建設費と将来の維持費を削減し、環境負荷を低減するためです。「風のテラス」による自然通風の促進、気流創出ファン(185台)、ミスト冷却装置を組み合わせたパッシブ換気方式を採用し、自然エネルギーを活かしてスタジアム内の温熱環境を調整する設計になっています。