ドーナツの穴の理由はなぜ?生焼け防止と船長伝説の真相を徹底解説
SNSや知恵袋などで長年議論を呼んでいるのが、「ドーナツの穴をくり抜いた真ん中の生地は捨てられているのか?」「穴の分だけ損をしているのではないか」という疑問です。日本のドーナツ文化を牽引してきたミスタードーナツの歴史や近代的な大量生産ラインを取材・検証すると、製造現場の実態が浮き彫りになります。
結論から述べると、くり抜いた生地が無駄に破棄されることは一切ありません。近代の製菓ラインにおけるドーナツ製造は主に2つの方式に分かれています。
第一に、オールドファッションやフレンチクルーラーなどのケーキ・バッター系ドーナツは、生地を打ち抜くのではなく、専用の「ディスペンサー(成形押し出し機)」から直接リング状に絞り出して油の中へ落とします。最初からドーナツの穴が空いた状態で成形されるため、くり抜く端材生地そのものが存在しません。
第二に、イースト生地をシート状に伸ばして型で打ち抜くタイプの場合、型抜きされた中央の丸い生地や周囲の余り生地は、すぐに集められて適正比率で元の生地に再練り込み(リワーク)され、無駄なく製品化されます。また、丸いひと口サイズドーナツの詰め合わせ商品(ミスタードーナツの「ドーナツポップ」など)は、穴の端材ではなく、専用の球形ノズルから射出成形されて個別に製造されています。
消費者の間で「穴の分だけボリュームが減っている」という心理的錯覚が起こりがちですが、実際には穴があるからこそ油切れが良く、胃もたれしにくい絶妙な軽さと食感が維持されているのです。