童謡ごんべさんの赤ちゃんの謎!原曲に隠された米国の歴史と真実
なぜ「権兵衛」の赤ちゃんなのか。この替え歌の誕生には、大正から昭和初期にかけての庶民文化が深く絡んでいる。当時流行していたアメリカの童謡『Little Peter Rabbit had a fly upon his nose』(ピーターラビットの鼻にハエがとまった)が日本語に訳される過程で、名無しの代名詞である「権兵衛」が当てはめられたという説が根強い。
鼻にとまったハエを払うユーモラスなしぐさが、いつの間にか「風邪を引いて湿布を貼る」という生活感あふれる身体表現へとシフトしていった。日本音楽著作権協会(JASRAC)の管理楽曲群の中でも、原曲の著作権が消滅したパブリックドメインの代表格として、多種多様な編曲や替え歌が次々と生み出されている。戦場の行軍歌が巡り巡って、日本の茶の間で湿布を貼る手遊び歌になったという歴史のダイナミズムこそ、この楽曲が持つ最大のミステリーといえる。