健康診断の「正常」を疑え!血糖値の基準値と隠れた重症化リスク

健康診断の「正常」を疑え!血糖値の基準値と隠れた重症化リスクにまつわる興味深い視点を詳しく紐解きます。

採血当日の朝だけ食事を抜いて数値を繕っても、過去1〜2カ月間の平均血糖状態を暴き出すのがHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)だ。赤血球中のヘモグロビンにブドウ糖がどれだけ結合しているかをパーセンテージで示すこの値は、血糖の嘘を許さない。

特定健康診査(メタボ健診)でも重視されるHbA1cの基準は、5.5%以下が正常。5.6〜6.4%は将来的な発症リスクが高まる境界域とされ、6.5%以上で糖尿病型と確定される。厄介なのは、空腹時血糖値が正常であってもHbA1cだけがじわじわと上昇している「隠れ高血糖」のパターンだ。

健診当日の絶食によって空腹時血糖値が95mg/dLと良好に見えても、HbA1cが6.0%前後を示していれば、日常的に激しい食後高血糖を繰り返している証拠である。この解離に気づかず放置すると、数年後には神経障害や網膜症、腎症といった三大合併症へのカウントダウンが始まりかねない。

清水 千尋

清水 千尋

フード&トラベルライター

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。