人の顔が覚えられないテストと病気の真相|相貌失認の自己診断と対処法

人の顔が覚えられないテストと病気の真相|相貌失認の自己診断と対処法の特集記事をお届けします。最新トレンドが詰まっています。

人間の顔認識を司る中枢は、側頭葉の底部に位置する紡錘状回(ぼうすいじょうかい)、特に「紡錘状回顔領域(FFA: Fusiform Face Area)」と呼ばれる神経ネットワークにある。定型発達の脳では、赤ちゃんの頃から母親の顔をはじめとする無数の顔情報を処理し、目や鼻の相対的な距離バランス(配置関係)を「ひとつのゲシュタルト(全体像)」として瞬時にインプットするシステムが自然に形成される。

しかし、相貌失認の当事者はこの紡錘状回の結合や活性化が弱く、顔をひとまとまりのパターンとして捉えることが難しい。目、鼻、口という個別のパーツは知覚できるものの、それを高速で統合して過去の人物データベースと照合する処理が停滞してしまうのだ。

さらに、顔の識別困難は自閉スペクトラム症(ASD)やADHD(注意欠如・多動症)といった発達障害の認知特性とも高い相関を示す。日本国内の臨床研究でも、ASD当事者の一定割合が顔認識に著しい苦手さを抱えていることが報告されている。

ASDの特性を持つ人の場合、他者の目元を直視することに強い生理的負荷を感じるため、視線トラッキング検査において相手の口元や輪郭周辺ばかりを見てしまう傾向がある。また、全体よりも細部のディテールに注目する「局所優位」の知覚スタイルを持つため、顔全体の印象を捉えにくい。一方、ADHDの特性がある場合は、対面時のワーキングメモリ不足や注意の散漫により、相手の顔の特徴を長期記憶として定着させる前に別の刺激へと意識が奪われてしまう。

斉藤 蓮

斉藤 蓮

デジタルマーケティングコンサルタント

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。