トルコは欧州かアジアか?国土97%がアジアでも欧州枠の真相
インターネット上の掲示板や旅行コミュニティでは、トルコに関する誤った前提が散見されます。特に多い二大誤解が「トルコはもうすぐEUに入る」「ヨーロッパだから現地でユーロがそのまま使える」という認識です。
長年棚上げされたEU加盟問題の経緯
トルコは1987年に当時のEC(欧州共同体)へ加盟を申請し、1999年に加盟候補国として承認、2005年から正式な加盟交渉を開始しました。しかし、交渉開始から現在に至るまで、加盟プロセスは事実上の完全停止状態に陥っています。
その背景には、EU側が要求する司法の独立や言論の自由といった「コペンハーゲン基準」への懸念に加え、キプロス島をめぐるギリシャとの長年の領有権対立が存在します。さらに本質的な問題として、人口約8,500万人を抱えるイスラム教徒多数派の国家をEU内に受け入れることに対する、フランスやドイツなど主要加盟国の根強い警戒感があります。欧州議会でも交渉凍結を求める決議が重ねられており、現行の政治体制下でトルコがEUの正加盟国となる道筋は見出せていません。
通貨はトルコリラ|ユーロが使えない理由と決済の実情
EU加盟国ではないため、トルコはユーロ圏(ユーロゾーン)にも参加していません。国の唯一の法定通貨は「トルコリラ(TRY)」です。
イスタンブールのグランドバザールや高級ホテル、カッパドキアの気球ツアーなど、外国人観光客が集まる一部の現場では便宜上ユーロでの支払いが受け付けられる場合もあります。しかし、一般的なスーパーマーケット、公共交通機関、ローカル食堂ではユーロは通用せず、仮に観光地でユーロ払いをしたとしても、極めて不利な独自レートで換算されて大きな損失を被るケースが後を絶ちません。日常の経済活動は独立した中央銀行が発行するリラで動いており、ユーロ経済圏とは明確に一線を画しています。