トルコアイスはなぜ伸びる?原料サーレップの秘密と溶けない真相

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街頭のパフォーマンスで店員がアイスを宙に掲げ、数分間にわたって回転させても、表面から液体がしたたり落ちることはありません。「トルコアイスはなぜ溶けないのか」という疑問も、物理化学の観点から明確に説明できます。

通常のアイスクリームが常温ですぐに液状化する主因は、製造時に空気を含ませる「オーバーラン(空気含有率)」にあります。一般的な市販ソフトクリームやカップアイスは、滑らかな口当たりを作るために30%〜100%近い空気を抱き込んでおり、熱が内部へと急速に伝わる構造になっています。

一方、本場ドンドゥルマの特徴は、空気含有率がほぼゼロに近い極小状態である点です。職人が金属棒で激しく練り込み、叩きつける工程は、粘りを出すと同時に内部の余分な気泡を徹底的に押し出す脱気作業を兼ねています。気泡が極めて少ない高密度な個体であるため、外気温の熱伝導が極端に遅くなります。

加えて、サーレップ由来のグルコマンナンゲルが自由水を強固に捕捉しているため、氷結晶が融解しても水分が外へ逃げ出さず、ゼリー状のネットワークの中に留まり続けます。これが「常温に長時間置かれても形が崩れず、モチモチした食感を保ち続ける」科学的カラクリです。

橋本 菜々子

橋本 菜々子

トレンドリサーチャー

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。