2026年の富山が熱い。新幹線延伸の先で見つけた「世界が羨む本物の贅沢」と隠れた至高
標高3,000メートル級の峰々が連なる立山連峰。春の風物詩である「雪の大谷」では、20メートルに迫る雪壁の間をバスが縫うように走る。巨大な白い回廊に立つと、自らの小ささと地球の息吹を肌で知ることになる。だが、現在の富山を語る上で外せない最大のトピックは、一般開放が本格稼働した「黒部宇奈月キャニオンルート」の存在だ。
かつて関西電力の電源開発のために過酷を極めた工事用ルートが、長年の整備を経てついに旅人の足元へと開かれた。宇奈月温泉から黒部ダムまでを結ぶこの地底回廊は、蓄電池機関車やインクライン(傾斜鉄道)を乗り継ぎ、猛熱の岩盤を貫いたトンネルを進む。人知と大自然が激突した歴史の生々しい痕跡は、テーマパークのアトラクションが束になっても敵わない迫力を放つ。
トンネルを抜けた先に突如現れる、エメラルドグリーンの湖水と巨大なコンクリートアーチの黒部ダム。轟音とともに吹き出す毎秒十数トンの放水が、谷底に巨大な虹を描き出す。ただ景色を眺めるのではない。人が山に挑み、自然を受け入れてきた記憶に直に触れる旅がここにある。