過リン酸石灰の真価と使い方|なぜ効かない?ようりんとの違いを徹底解剖について知っておくべき 理由を分かりやすく解説いたします。
リン酸肥料を選ぶ際、園芸店で必ず比較対象となるのが「重過リン酸石灰」と「ようりん(溶成燐肥)」です。それぞれの性質を正確に把握しなければ、土壌の劣化や育成不全を招く恐れがあります。主要な項目を比較したデータは下表の通りです。
肥料名リン酸主成分・保証含有率溶出タイプと肥効スピード副成分・土壌反応(酸度への影響)編集部の見解・最適な活用シーン過リン酸石灰水溶性リン酸(17.0〜20.0%)速効性(水に溶けて瞬時に吸収)石膏(硫酸カルシウム約50%)含有/化学的中性(pHへの影響小)定植初期の発根促進や、中性〜弱アルカリ性土壌での短期ブーストに最適。重過リン酸石灰水溶性リン酸(35.0〜45.0%)速効性(過石の2倍以上の高濃度)石膏を含まない/化学的中性(硫酸根を含まない)重過リン酸石灰との違いは濃縮度と硫酸分の有無。老朽化水田や運搬コスト削減を狙う大規模圃場向き。ようりん(溶成燐肥)ク溶性リン酸(約20.0%)緩効性(根から出る根酸でじわじわ溶解)アルカリ分(約40〜50%)、苦土(約15%)、ケイ酸(約20%)/塩基性過リン酸石灰とようりんの違いは溶出速度と酸度矯正力。酸性土壌の根本改良と長期栽培ならようりんが圧勝。
製造工程の違いから見ると、過リン酸石灰がリン鉱石を硫酸で処理するのに対し、重過リン酸石灰はリン酸で処理するため、石膏が生成されずリン酸濃度が跳ね上がります。一方、ようりんは蛇紋岩などの鉱石とともに高温で溶かして急冷粉砕したガラス質状の資材です。酸性雨や化学肥料連用で酸性に傾いた日本の土壌改良にはようりんが適しており、逆にpHがすでに適正範囲(6.0〜6.5)にある場合はpHを動かさない過リン酸石灰が扱いやすいという住み分けが成立します。