2026年、コンビニ大競争時代の台風目:「店内焼きたてパン」と「個店主義」で突き進むヤマザキデイリーストア現場ルポ
「コンビニのパン」という言葉を聞いて誰もが思い浮かべるのは、ビニール袋に密閉された大量生産品だろう。しかし、ヤマザキデイリーストアの「デイリーホット」併設店に一歩足を踏み入れると、その常識は呆気なく崩れ去る。店内奥の厨房からは、数十種類におよぶ焼きたてパンが次々と運ばれてくる。
この仕組みを支えているのは、親会社である山崎製パンが培ってきた膨大な冷凍生地技術と発酵ノウハウだ。店舗側は単に温め直すのではなく、店内の専用オーブンで最適な時間と温度を見極めて焼き上げる。特に、店舗ロゴの焼印が押された「贅沢な割れ栗あんぱん」や「ホイップあんぱん」は、地域のSNSで頻繁に取り上げられるほどの人気商品となっている。効率を追い求めるあまり「冷たくなった食」が増えた都市部において、この温もりが他社には真似できない強力な武器になっている。