スマホを捨てて日野町へ――2026年、なぜ大人たちは再び「ブルーメの丘」を目指すのか
動物ふれあいエリアに足を踏み入れると、時間の進み方が明らかに減速する。日だまりの中で微動だにせず湯に浸かるカピバラ。草を咀嚼する音だけを響かせる羊の群れ。彼らは来園者を喜ばせようと媚びることもなければ、急ぐこともない。
柵越しに手を伸ばし、ごわついた羊毛の感触やカピバラの体温に触れる。その素朴なコミュニケーションには、画面越しのエンターテインメントでは決して得られない生体反応のリアルがある。生き物と同じテンポで呼吸するうちに、強張っていた肩の力が自然と抜けていく。