急変を招く全身性炎症反応症候群の正体|敗血症との違いと最新診断基準

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SIRSを疑った瞬間から、医療チームによる時間との戦いが始まります。救命率を最大化するための全身性炎症反応症候群 治療法は、根本的な原因疾患のコントロール(Source Control)と、臓器灌流を維持するための集学的治療に集約されます。

感染が疑われる場合は血液培養2セット採取後の1時間以内(Hour-1 bundle)の広域抗菌薬投与、急性膵炎であれば大量の初期輸液(細胞外液)療法、穿孔性腹膜炎であれば緊急ドレナージやデブリードマンが最優先されます。低血圧や高乳酸血症に対しては、輸液負荷を行い、反応が乏しければ躊躇なく第一選択薬であるノルアドレナリンを投与して平均動脈圧(MAP)65mmHg以上を維持します。DICを併発している場合は、遺伝子組み換えトロンボモジュリン製剤(rTM)やアンチトロンビン製剤の補充が検討されます。

これら高度な医療を支える土台となるのが、病棟およびICUにおける全身性炎症反応症候群 看護計画です。看護師による観察眼が、患者の予後を物理的に左右します。

【SIRS看護計画における最重要チェックリスト】
・循環動態のモニタリング: 時間尿量(0.5mL/kg/h以上の維持確認)、皮膚冷感、CRT(毛細血管再充満時間)の延長チェック
・呼吸パターンの微細な変化: 呼吸数が20回/分を超えて浅促呼吸になっていないか(代償性アシドーシスのサイン)
・体温調節と末梢循環: 悪寒戦慄(shivering)の有無、急激な体温低下(低体温は敗血症性ショックの重篤徴候)の察知
・輸液バランスの管理: 体重測定、過剰輸液による肺水腫や組織浮腫(サードスペースへの漏出)の早期警戒

【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準

臨床において「経過観察でよい状態」と「ICU入室や即時治療介入を要する状態」の判断基準は極めてシビアです。若年者で基礎疾患がなく、バイタルサインがSIRS基準を満たしていても乳酸値が正常で経口摂取が可能な場合は、外来での注意深い観察が選択肢に入ります。しかし、以下の条件に1つでも該当する場合は、一刻の猶予もない緊急事態として集中治療管理への移行が必要です。

・高齢者、糖尿病患者、免疫抑制剤使用中: 白血球が増加せず、むしろ減少している場合は骨髄抑制や重症感染の証拠であり、体温が上がらない低体温症候群(36.0℃未満)は極めて死亡率が高い。
・血清乳酸値が2.0mmol/L以上: 血圧が正常であっても、末梢組織が酸素飢餓に陥っている不可逆的虚脱の前兆である。
・呼吸数の単独上昇: 意識が清明であっても、呼吸数が24回/分以上で推移している患者は、数時間以内に呼吸筋疲労から突然の心停止を招くリスクが極めて高い。

鈴木 陽菜

鈴木 陽菜

テックライター兼ウェブディレクター

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