スティング名曲『シェイプ・オブ・マイ・ハート』真意とレオンの謎
スティングのソロキャリアおよびポリス(The Police)時代を含めると、世界的な大ヒット曲は枚挙にいとまがありません。しかし、発表から年月が経過した現代において、サンプリングカルチャーや若い世代への波及度という観点で見ると、「シェイプ・オブ・マイ・ハート」は極めて特異かつ突出したポジションを占めています。
とりわけ音楽業界を震撼させたのが、2018年に急逝したラッパー、ジュース・ワールド(Juice WRLD)の大ヒット曲「Lucid Dreams」でした。この曲は「シェイプ・オブ・マイ・ハート」のギターリフをほぼそのままループさせて作られており、Billboard Hot 100で最高2位を記録、全世界で数十億回再生されるモンスターチューンとなりました。
リリース当初、原曲の著作権ロイヤリティの分配比率(スティング側に85%が支払われる取り決め)を巡ってネット上では「強奪ではないか」といった過激な憶測も飛び交いました。しかしスティング本人は後年のインタビューで、「あの曲はとても美しく、若い才能による見事な再解釈だ。孫たちの大学の学費を払ってくれたよ」とユーモアを交えて語り、ステージ上で「Lucid Dreams」のメロディを自らマッシュアップして歌うなど、若い世代の解釈に対して最大限の敬意を示しています。1990年代のNas「The Message」からクレイグ・デイヴィッド「Rise & Fall」を経て、エモ・ラップの時代に至るまで、このギターリフはヒップホップ/R&Bの血脈に深く刻み込まれています。